純愛関係図―It is not love―





 あたしは、自分のことばかり。


 いつもいつも、自分の幸せだけを願って。




 親友に「眞田くんが好き」と好きな人に「好き」と打ち明けられた真っ直ぐな性格と見せかけた、最低な人間なのに。






 ポロッ――



 あれ?どうして涙が出るの?






 さみしい人間だと、自分で思った。



 ハッピーエンドだけを望んでいたはずなのに。




 眞田くんも茜も、追い込んだだけじゃないか。




 自分でハッピーエンドを壊して、自分だけ幸せになろうとしていた。


 なんと愚かで残酷なんだろう。





 ただ、好きな人ができた。それだけだったのに――。







 言わなきゃ。


 本当のことを、言わなきゃ。







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