純愛関係図―It is not love―
遥陽に、一度も「好き」とは伝えないまま、
心の奥の奥の奥に、鍵をかけてしまっておく。
誰にも教えないで、誰にもわからないまま、
次好きになった人だけに「好き」をあげるんだ。
「あ、今日ママにおつかい頼まれてるんだった。
ごめん!今日も先帰るね」
結月が思い出したかのように私に言ってから、カバンを持つ。
「わかった。じゃあね、結月」
「ごめんねぇ。バイバイ、茜!」
大きく手を振りながら、結月は教室を出た。
――結月が出ていくときの表情が、一瞬目に映った。
「え…?」
どうして…どうしてそんな、困ってるような表情をするの?
心配してるような、そんな……。
もしかして、キヅイテル?