純愛関係図―It is not love―
――午後6時になる10分前。
「あ、結月~!」
一番のりで到着した私は、ここに向かっている結月を見つけ大きく手を振った。
「早いね、茜」
「楽しみすぎて早く来ちゃった」
結月は、花があちこちに描かれているパステルピンクの浴衣で、編み込みのカチューシャを作っていて、とても可愛い。
ふんわりとした雰囲気が、結月を包んでいた。
「茜すっごく可愛い!」
「え、そ、そう?」
私は、青い金魚が描かれている淡い水色の浴衣で、髪は横下にお団子でまとめている。
矢崎も可愛いって言ってくれるかな。
「結月もすんごい可愛い」
「えへへ、頑張っちゃった」
はにかむように微笑む結月。
さっきから鳥居の前を通り過ぎる男子たちは、一度結月の方を見てる。それほど可愛いんだ、結月は。