純愛関係図―It is not love―




 デートしたあの日、私を見つけて名前を呼んでくれた。


 『茜』って。




 また呼んでくれないのかな。


 『新川』じゃなくて『茜』って。





「じゃあ行くか」



 矢崎の声で、私たちは歩き出した。



 矢崎の隣に並んで歩いてると、少し緊張。




 すぐ近くにある矢崎のことを意識しちゃって、顔がすぐ赤くなっちゃう。


 どうしたらいいのかな。



 どうしたら、矢崎の隣にいても緊張しないんだろう。





「七倉がわたあめ食べたいって言ってんだけど、お前は?」



「わ、私も食べる!!」



「じゃあ俺と七倉で買ってくるから、要と茜はここで待ってろよ」





 え……えーーー!?


 ちょ、二人きりにするの!?



 今二人きりになったら、緊張しすぎて何も話せない……。






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