純愛関係図―It is not love―





「わ、私と結月が……」



 ん?ちょっと待てよ?


 私、結月の邪魔してる?



 結月は絶対遥陽と二人きりになりたいはずだし……だったら、このままでいいのか?



 そんなことを悶々と考えている間に、結月と遥陽はわたあめを買っていってしまった。





「なあ、新川」



「…な、なに?」




「辛くねぇの?」



「え……?」






 辛いって…何が?


 赤で染まっていた顔は、矢崎の言葉で元に戻った。



 矢崎の顔を見ると、矢崎は切なそうに私を見つめていた。




 どうして矢崎は、そんな表情をしているの…?




 ――もしかして、私が矢崎に想いを伝えてないから?

 遥陽のことが今でも好きだと、思われてるから?




 だからそんな表情なの?




「やざ…」



「買ってきたぞー!」





 矢崎、と声をかける前に、遥陽の声に遮られた。


 胸が苦しい……。誤解されるのって、こんなに苦しいんだ。






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