純愛関係図―It is not love―




 今…水の音、しなかった??


 恐る恐るポイを見ると、そこには……すくったはずの金魚はいませんでした。



 や、破けてるし!





「はぁぁぁ」



 盛大なため息をついて、私は結月に「ごめん…」と謝る。



「いいよいいよ!あたしも取れなかったんだし」



 優しいなぁ、結月は。


 でも、取ってあげたかったなぁ。




 今まで自分に正直になれず、結月に嘘をついて自分の恋情を隠し、心の底から応援してあげられなかったから……。


 それに対しての償いとして、結月のために取ってあげたかったのに。






「「おっちゃん、俺にもやらせて」」






 ――え?


 横から矢崎と遥陽の声が聞こえ、俯いていた顔を上げた。



 顔を上げるとそこには、屋台のおじちゃんにお金を渡してる矢崎と遥陽の姿が。

 な、なんで二人まで金魚すくいを…?




 私と結月は目をパチパチさせながら、その光景に驚いていた。







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