純愛関係図―It is not love―





 本心は……なにで偽ろうか。


 なにが一番、バレにくい?






 ――ガラッ!






 乱暴に開かれた教室の扉の音が、私の耳にはキーンとまるで騒音のように聞こえた。



 ハッと我に返り、開かれた扉の方へと目を向ける。






「矢崎…?」



 またしても、教室に来たのは矢崎だった。



 どうして今日も…ここに?また忘れ物?




 そんなヤツだったっけ?


 この学校は、3年間クラス替えがないので1、2、3年と同じクラス。



 去年も一緒だったから、わかる。




 矢崎は、見た目やんちゃそうだから…そういうキャラかと最初は思っていたが、実はしっかりしている。



 だからこう何度も…しかも続けて忘れ物なんて…するはずない…と思ってたんだけど。




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