純愛関係図―It is not love―





 透明な袋の中で浮かぶように泳いでいる金魚を見て、えへへと私は笑った。




 矢崎からのプレゼント。


 そんな言葉が頭に浮かび、思わず笑みが溢れる。





「……っ」


 微笑む私を、切なそうに見つめる遥陽。


 結月は、私と遥陽のことを見つめながら下唇を噛み締めた。




 けれど私は

 そんな二人には全く気づかず、ただ矢崎のことだけを考えていた。







「かき氷食べたいな…」



 私は頭にふと浮かんだことを呟いてみた。





「じゃあ、かき氷の屋台探すか」




 小さなつぶやきを矢崎は聞き漏らすことなく、そう言った。


 私の手を取り、歩き始める。後ろに顔だけ振り返り、




「遥陽!七倉!おいてっちまうぞー」




 と矢崎は大きな声を響かせた。





 矢崎の手のひらに触れている自分の手が、じんじんと熱くもえあがっているようなそんな感覚の私は、真っ赤な頬を片手で隠しながら照れていた。






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