純愛関係図―It is not love―
「……嫌だ」
「え?」
「嫌だ」
小さく、だけどはっきりと聞こえた遥陽の声が、ずしりと重く感じる。
掴まれた腕から、熱さを感じる。
「お前といたい」
「さ、最初から私といるじゃん。結月と矢崎と遥陽と私、四人でいたでしょ?」
「そうじゃなくて」
ギュッと力を強めた、私の腕を掴む遥陽の手。
その手からは、少しの優しさと大きな想いと強引さが溢れていた。
「四人じゃなく…二人だけがいいんだ」
知らない遥陽が、目の前にいる。
どこかで感じていた予感が、花火が打ち上げられるとともに弾けた。