純愛関係図―It is not love―






「新川、幸せになれよ」






 なれないよ…。


 私は、矢崎が好きなの。




 目から溢れる涙が、言葉を失くす。



 好きなのに、言葉にならない。




 想いを伝えることすらできない。


 口が震えて、声が出ない。



 今すぐにでも否定したいのに。





「遥陽、俺の分まで幸せにしてやれよ」



「わかってる」





 勝手に話を進めないでよ。


 なんで…誰も私の気持ちを聞いてくれないの?






 幸せになんて、なれっこない。


 だって、私が幸せになれるのは大好きな人の隣にいるとき。




 矢崎と一緒にいなきゃ、幸せになんてなれないよ――。







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