純愛関係図―It is not love―




 涙が絶え間なく流れ落ちる中、俺は肌寒い夜の風を肌で感じながら歩き続けた。


 新川の本当の想いを知らずに、ただただ胸の苦しさに耐えていた。








 ――最悪だった夏休みがついに終わった。


 夏休みの間、新川とも遥陽とも会わなかった。



 会いたくなかった。



 どんな顔をして会えばいいのか、わからなかったから。


 笑顔なんて作れる気がしない。



 夏休み中ずっと想ってた。消えずにずっと、心に残っていた。



 新川のことが好き。

 その気持ちが色あせずに、そのまま。




 だから余計、会いたくない。



 顔を見れば、言ってしまいそうになるから。




 『新川のことが好きだ』


 『諦められねぇ』




 そう言って、抱きしめてしまいそうになるから。




 奪ってしまいたい。もう一度、彼女になってほしい。

 失恋が、欲求をさらに大きくさせたんだ。






< 233 / 298 >

この作品をシェア

pagetop