純愛関係図―It is not love―





「……わ、悪い」



「だ…大丈夫だよ」




 ぎこちなく謝りながら、俺は新川が持っていた紙を拾い集めた。


 気まずさを通り越してるこの空気が、苦しい。





「き、来てたんだね」


「あぁ。
 新川、…始業式は?」


「これからだよ」




 一枚、また一枚拾い集めるたび、気まずさが大きくなるとともに、鼓動が速くなっていく。


 あぁ……好きだ。




 新川が、好きだ。




 改めて実感させられる。


 新川を横目で見るたび、気持ちを自覚させられる。




「……あのね、わ、私……」





 震えたいつもより高い声で、新川は俺の顔を見ずに話しだした時。





 ラスト一枚になった紙を拾おうとした俺の手と、新川の手が重なった。






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