純愛関係図―It is not love―
「…サッカー」
「え?」
「楽しい?」
いきなり話しかけられ、俺は思わず驚く。
新川は目線を移すことなく、俺に質問した。
「…た、楽しい…よ」
「そっか。いつも遥陽と一生懸命サッカーしてるからさ、なんか聞いてみたくなっちゃって」
え……それって…。
「いつも見てるってこと?」
「ここからよく見えるの。この窓からグラウンドが。それでよく保健室の先生にここの留守番頼まれるから、そのときにちょっとね」
優しく紡がれてく新川の声に、なぜか鼓動のリズムが速くなった。
…そっか。見てたんだ。
「この怪我…どうしたの?」
「え、あ…ボール取ろうとしたらミスってさ、そのまま転んじまってさ」
「すごい勢いで転んだんだね」
「はは、そうなんだよ」