純愛関係図―It is not love―
気づいたら、私は涙を流していた。
自然と流れていた涙は、とても冷たかった。
夕日が私たちを照らし、長く伸びる影がひどく苦しそうに見えた。
「俺、…茜のこと好きだ」
「…うん」
「幼馴染って関係、一瞬でもなくせて嬉しかった」
「うん……っ」
「少しでも、俺のこと『好きだ』って想ってくれて、ありがとな」
ずるいよ、遥陽。
そんなこと言われたら、涙が止まらなくなるよ。
遥陽は心が傷ついてるはずなのに、一滴も涙を流さなかった。
遥陽のプライドと強くなった心が、にじみ出ているようだった。
「ごめっ……遥陽、ごめんね……。
私、遥陽のこと幼馴染として大好きだよ…。
――ありがとう」
家に着くまでの帰り道。
遥陽の隣にいるよ。遥陽の彼女として、そばにいるよ。