純愛関係図―It is not love―





 バタン……


 虚しく響く玄関の扉が閉まる音。



 俺は扉にもたれかかりながら、こらえていた涙を静かに流した。






「茜…っ」


 なにが、「大好き“だった”」だ。




 今でも、すげー大好きなくせに。





 涙が絶えず流れ落ち、俺は目元を手で覆った。


 茜の前で涙がでなくてよかった。



 こんなダサい俺、見せたくねぇもん。






 大切な初恋の子。


 茜のことを何年、幼馴染以上の想いで見続けてきただろう。



 片思い歴=年齢になりそうなくらい、ずっと一途に想ってた。





 後悔がありまくりな“今”だけど、…俺なりのいい終わり方を見つけたつもりだ。





 大好きだからこそ、別れなければいけないときがある。








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