純愛関係図―It is not love―





「……よし」



 俺は涙が止まってから、自分の部屋へ移動し電話をかけた。




 プルルルル……






『んー?どうした?』



 相手は――要だ。





「よ、要」



『何の用だ?』




 声はいつもよりもテンション低めで、俺の声なんて聞きたくなかっただろうに、無理やりにでも明るく話してくれた要に、胸が締め付けられた。






「なあ、お前さ……茜のこと、諦めてねぇよな?」


『……は?』






 あぁ、やべぇ。また涙が溢れてきた。


 目尻に溜まった涙を袖で拭き、俺は声が震えないよう気をつけて言った。





「茜のこと、俺より好きな自信あるか?」







< 275 / 298 >

この作品をシェア

pagetop