純愛関係図―It is not love―







 ――放課後。




「ん~、美味しい!!」


「このクレープ、最高!この生地がいいんだよぉ」




 私は、約束通り駅前のクレープ屋でクレープを結月に奢ってもらった。


 クレープ前にあるベンチが丁度空いていたので、私たちはそこに座って食べている。



 生クリームがちょうどいい甘さで、いちごが甘酸っぱくて、生地がサクッフワッで、美味しい!!


 こりゃ人気でるわ…。




「いちごクレープちょっとちょうだい?
 あたしのチョコバナナもあげるから!」



 口元に生クリームをつけた結月が、ねだるように言う。



「しょうがないなぁ。はい」



「ありがとー、茜♪」




 幼い子供のように微笑みながら、パクリと一口結月は食べた。


 私も、結月のチョコバナナクレープを一口頬張る。




「ん!こっちも美味しい!」


「あ、茜!これ一口サイズじゃないよ。半分くらい食べてるじゃんかぁ」


「目の錯覚じゃない?」


「ひどーい!!」





< 33 / 298 >

この作品をシェア

pagetop