純愛関係図―It is not love―
プクッと可愛らしく頬を膨らまし、怒りを表現する結月。
…結月、それ見た目怒ってないよ?
怒るより、可愛いのほうが合ってるから。
「結月、可愛い真似しないで。私がさらにブスに見えるでしょ」
結月の膨らんだ頬を人差し指で押しながら、私は言った。
結月のキラキラオーラが、私を“結月の脇役”に変化させる。
私は別に、それでも構わない。
だって、結月が友達なのは変わりないでしょ…?
「ちょ、それを言うなら!あたしの方だよ!
茜って美人だから…あたしが劣ってるように見えるんだよぉ」
…はい?
バカじゃないんですか、あなた。
「それはありえない。絶対にありえない」
「ありえるんだよー!
胸くらいまである髪は全然傷んでないしサラサラで綺麗だし!茶髪ってところも憧れる。
ちょっとつり目な瞳だって猫みたいで可愛いし!
メイクしなくてもいいくらい…美人なんだよ、茜は」
私は全然美人じゃない。ブス中のブス。
結月に言われても、説得力ゼロなんだから。