純愛関係図―It is not love―





 そうだ。


 私、告白したの…初めてなんだ……。



 今思い返すと、恥ずかしいと感じることも緊張することもなかったな。



 ただ、遥陽への気持ちを隠すのに精一杯で……。

 焦る気持ちでいっぱいだったな。





 私と矢崎の現在進行形の“片思い中のカレカノ”関係。


 なぜか切ない気持ちが、心を埋め尽くした。







「そろそろ帰ろっか、結月」


「そうだね。時間経つの早いなぁ」


「だね」





 帰ったら、遥陽に会おう。


 会って、いろいろと情報を聞こう。




 久し振りに二人きりで話せて嬉しい。


 そんな思いは、「ない」とは言い切れない。


 けど、「ない」と言わないと…簡単に鍵が開いてしまう気がして……言えなかった。





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