純愛関係図―It is not love―







「「わぁ…」」




 グラウンドに着いて、私と結月は同時に声を出した。


 か、かっこいい…。




 見慣れないユニフォーム姿が、目にチカチカして。


 ドキドキが、速くなる。




 遥陽と矢崎が、グラウンドの端でストレッチをしている。





「かっこいいなぁ」


 二人を眺めながら、私はポツリと呟いた。




「かっこいい? あぁー、矢崎くんが?
 もう、ベタ惚れだね。茜」



 ふふっ、と声を漏らして微笑む結月。




 あれ…?

 私、誰に「かっこいいなぁ」なんて言ったの?



 遥陽?矢崎?…どっち?





「でも、かっこいいよね」

「うん…」




 遥陽に、なのかなぁ。

 だったら、心は正直だね。




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