純愛関係図―It is not love―





 ピッピー!、とホイッスルの音がグラウンドに響く。


 あ…、試合始まるんだ。






 そして、練習試合が始まった。






 パチ…と一瞬だけ、遥陽と目が合った気がした。


 え?なんで遥陽、こっち見たの…?




 そのときの遥陽の瞳は、恐いくらい真っ直ぐで。心に突き刺さるようだった。


 遥陽…?


 緊張してるのかな?

 どうしてそんな、恐い表情をしてるの?





「あっ!」


 隣から、結月の声が聞こえ、ハッと我に返る。



「見てみて!眞田くんがシュートするよっ」



 結月が興奮しながら、ピョンピョン跳ねる。

 自分のことみたいに喜んでる…。




「わー!!
 茜、今の見た!?シュート…眞田くんがシュートしたよっ」






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