純愛関係図―It is not love―




 「すごいすごい!」と、私の腕に結月は自分の腕を絡めてはしゃいだ。



 遥陽のことしか見ていなくて、遥陽のことがどれだけ好きなのか伝わってくる。



 あぁ、元から勝目なんて…ないんだ。結月には。


 歪んだ想いとか気持ちとか、そんなの一切ない。

 ピュアで可愛い、花みたいな結月には。





「ガンバレー!」


 結月が、走っている遥陽に向かって愛しそうな顔で叫んだ。



「頑張れ、みんなー!」


 私は、モヤモヤする気持ちを消そうと結月に続いて、大声で言った。






「矢崎、頑張れ」


 遥陽…頑張れ。






 言葉と想いとじゃ、言ってることが違うよ…私。


 私が応援するのは、矢崎でしょ?

 なのにどうして…遥陽のことまで……。




 私は、彼氏を応援したいのに。


 どうして…初恋の人を応援するの?




 自分のことが…わからない。

 視界には、いつも遥陽と矢崎…二人の姿がいるんだ。





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