純愛関係図―It is not love―
「こっ、このあと…一緒に帰ら…ない?」
手いたずらしながら、目線を泳がせて結月が言った。
えらい、結月!恥ずかしかったよね。よく言った!
今の結月、すごく可愛い。ザ女の子、って感じ。
「ダメ、かなぁ?」
上目遣いで見つめられた遥陽の頬が、赤くなる。
…この反応……結月のこと好きなのかな?
それなら、両思いになってもらわないと。
私が恋のキューピッドになっちゃおうかな。
…なんてね。
「えっと…」
チラ、と一瞬遥陽が私を見た。
あ、もしかして結月と遥陽が一緒に帰ったら、私が一人で帰ることになるとか考えてるのかな?
「私は矢崎と帰るから、二人で帰りなよ」
私はニコッと微笑みながら、遥陽に言った。
「……じゃあ、一緒に帰るか。
ここでちょっと待っててな」
そう言い残して、遥陽はこの場をあとにした。