純愛関係図―It is not love―
――数十分して、遥陽は矢崎と一緒に戻ってきた。
「おまたせ」
「遅くなって悪ぃなー」
二人とも息が荒い…。
全力で走ってきたんだね。ありがとう。
「…じゃあ、帰るか。新川、行こうぜ」
「あ、うん!」
遥陽のことを横目で見てから、私は矢崎の隣に並んだ。
…さっきの遥陽の顔、“無”って感じだった。
なにも反応しなかったってことは、私と矢崎が付き合ってること…知ってたんだよね?
ていうか、なんで私反応なんて気にしてんだろう。
もう遥陽への想いは、封印したはずでしょ?
ちょっと嫉妬してくれたらな、なんて思っちゃいけないのに…っ。
チラッと、遥陽と結月に視線を向ける。
―ズキン。
なんか、楽しそう。
まだ二人は立ち止まっていて。…なにか話して、笑って、顔を赤くして。
表情がコロコロ変わる結月を見て、胸の痛みが増した。