純愛関係図―It is not love―






「わ、わー。結構景色いいね」



 ぎこちなくなってしまった。


 …意識しすぎたからだ。




「そうだなー」



 ムカつくくらい、いつもと同じな矢崎を見てムッとする。




 私みたいに意識すればいいのに。


 何回も噛むくらい、意識しすぎてるってことがわかりやすければいいのに。



 私だけがドキドキしてるみたいで、ムカつく。






「あ、あれ見てみろよ」



「わっ、ちょっと端寄らないでよ」




 いきなり端に寄って外の景色を指差した矢崎。


 ガタンッと大きくゴンドラが揺れ、ビクッとなる。





「ご、ごめ――」





 無意識だった。


 矢崎が、私の目の前に動けば触れるそんな近距離にいることに、私が真っ赤な顔を逸らしたのは。






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