純愛関係図―It is not love―
ごめん、と最後まで聞こえなかった矢崎の声が、心臓をさらに大きく高鳴らせる。
きっと、気づいたんだ。
私のりんごのような赤い顔に。
……恥ずかしい。
どうして私、こんなにドキドキしてるんだろう。
「……今、何話してんだろうな。あの二人」
―ドクン。
ふと結月と遥陽の話題を持ち出した矢崎は、前のゴンドラを見ていた。
あぁ、ほら。
簡単に引き戻される。
赤い熱も、ドキドキも、近いという意識も。
全部全部、リセットされる。
「うまくやってるんじゃない?」
いつもの声で言えたことが、嬉しかった。