純愛関係図―It is not love―






「最初は諦めようとした。…けど、無理だった。
 茜のことが好きすぎて、消せないんだ」





 後ろのゴンドラの方へと眞田くんは、目を向ける。


 あたしも、辛そうな眞田くんを見てられず、後ろのゴンドラへと目線を移した。





「……バカだよな、俺。もっと早く気持ち伝えときゃよかった、なんて今更思っても仕方ねぇのに」





 片思いだらけのあたしたち四人のハッピーエンドって、何?



 思い浮かばない。

 だって誰か一人は必ず、バットエンドなのだから。





 歯を食いしばる眞田くんを見て、ズキンと胸が痛む。



 眞田くん……。


 眞田くんへの想いが、泡になって消えたら楽になるのに。



 茜を笑顔で応援できるのに。





 そんなファンタジーみたいなものはありえない現実。


 そして、引き戻すことはできない“今”。










「……好き」




 伝えることを、許してくれますか?


 あたしは心の中で、誰かにそう尋ねた。






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