愛すと殺すと
“父”と“母”は、マザーの遠い親戚だった。
事件を聞き付け、罪滅ぼし的な感じで引き取りたいと言ってきたらしい。
警察、世論は猛反対。
が、裁判などの末、見事引き取ることに決まったらしい。
「…千晶は?」
「菅原の家に引き取られた」
流れでそうなったのは予想してた。
千晶はすぐ引き取られたが、俺は色々問題があったから、その間ずっと施設に入れられていた。
「会えないのか?」
仲良く?なった俺と先生は敬語を止めていた。
「……精神的によくないんじゃないかと判断している」
「今千晶は兄の鳳紀でなく俺を一番の存在にしている。
アイツには俺しかいないんだ」
あの“解釈”の後だった。
久しぶりにあった千晶は、痩せていた。
気持ち悪いくらいに。
そして、死んでいた。