愛すと殺すと
さて、一日うろうろと寮の生活に必要なものを揃えに買い出しに出て、日がくれてから帰った。
「……は?」
「感謝しろよぉ?」
壁全部が壊れた訳ではなく、壁のあったところにドアがあった。
二人の部屋が繋がったのである。
「アイツら私の子分――いや、知り合いで、命令…お願いを聞いてくれたんだ」
今なんか色々問題発言が。
でも――…
「…気遣ってくれて、ありがと」
ありがたい。
俺と千晶を考えてくれる人の存在が。
「……」
しばし呆然と俺を見て。
「いやぁ、面と向かって言われるのはなれてねーな…へへへっ」
嬉しそうに笑った。
千晶がドアに夢中で、笑い合うところを見られなかったのは幸いだった。