愛すと殺すと
「ごめんなさいっ」


ぎゅうっと強く抱き締めて。



「私、その…千晶ちゃんが洋楽ダメだなんて知らなくて!

ごめんなさいっ…ほんっとうにごめんなさい…」



今にも泣き出しそうな様子を、俺は冷めた目で見てた。


ぶっちゃけこいつがいくら謝ろうとどうでもいい。


千晶さえ救えれば、他は要らないと言っても過言ではない。


だから、こいつに離れて欲しかった。



「私、なんでもする!
罪を償うために、なんでも――」



そこでふと思った



まさか、まさかな?





“こいつら”わざとやったんじゃ――






「美澤、どけ」


「でもっ」



そう思えば思うほど、つじつまがあう。



そして苛ついた。



「先生、菅原さんたちは呼んだ?」



「あ、いや……呼ぶべきことじゃねーかと」


目をそらす先生。


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