愛すと殺すと

◇◇山本先生の保険日誌◇◇



『みぃ』こと美澤が布留に告白した。


嘘がバレそうになって、困っていたところに、いきなりの告白。


たぶん逃げ口の切り札だろう。


だけど、驚いた。


美澤のあの切なそうな顔は二回目だけど、やっぱり慣れない。



あまりにも女の子らしくて、守ってあげたくなるほどか弱い。



あんなに妖しくて、甘美な姿からは想像ができないほどに。



見惚れながら祈った。



頼む、了承してくれ。



布留がしてくれるだけで、私は安心できる。


最初は二人を応援していた。


支えあって生きていくのは、恋人同士の理想像だから。


いいなあ、とか

見ていて恥ずかしくなるレベルのラブラブ具合だわ、とか。


二人は見ていて楽しかった。


なのに、だんだん布留は傷だらけになっていった。



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