愛すと殺すと
聞くと、異常な愛ゆえだという。
片方が嫌がっているなんて、そんなのは愛なんかじゃない。
そう思った。
そこで美澤が現れた。
彼女なら、と思って、作戦をたてた。
『私が洋楽で彼女を惑わせて、狂わせる』
『それだけか?』
『それだけ。大丈夫、私が陽くんを落とすから』
何その自信。
でもまあ、なんだか安心はしていた。
だから保健室で診て、救急車もよばず親もよばず。
保健室の先生は最低なことをしたのだ。
「付き合って、お願い」
そう言う彼女は酷く綺麗だったから。
大丈夫かなって思った。
私はコイツの母親でもなんでもない。
可愛い娘もいるし、素敵な旦那様もいる。
私の世界は満たされているのだ。
なのになぜか気になってしまう、この存在。
呼称はきっと“お節介”
満ちているから満ちてないものが気になる。
本人の意思など関係なしで。