愛すと殺すと
「その……俺のこと考えてくれてたってゆーか」
「私のはただのお節介だぞ?」
ペロ、と溢れた砂糖を舐める。
「…一方的で、押し付けて、傷つけて。
悲しいだけの行為をしたんだ。
嫌ったり罵ったりしていいんだぞ?お前は。
何の感謝だよ」
口調は厳しくても、悲しそうに瞳を揺るがせた。
それで気づく。
化粧で誤魔化してるつもりなんだろうけど、どこか赤い瞳に。
…腫れている。
泣いたんだ、きっと。
「でも、自分のことなんか考えてなかったし、俺」
気づかせてくれたのは、先生が俺を考えてくれてたから。
「それに、先生のお節介に感動した」
「はあ?」
「どう転んでも、あれ俺のためでしょ」
「…でも、布留は結局…」
死んじゃうんだ。
悲しそうな顔は、見ていて胸を締め付けられた。
だから
「そーいえば、俺死なないみたいだよ?」
真実を教えてあげることにした。