愛すと殺すと
番外編(でも番内編)
◇◇◇
それは、バイト帰り。
暗くなった道を寮に向けて帰ろうとした時に起こった。
「見つけたぁあああああっ」
女の叫び声が聞こえて、学校の裏にある神社から何者かが飛び出してきた。
ヒュンッと風を切る音に、
のし掛かる重力。
それは肩と首を狙ってきた。
一回抱きついてから、そいつはパッと離れて手をつかんできた。
「逃げるです!」
「は!へ?ほ?なっ…」
手首を捕まれ、なぜか校舎裏に引っ張られた。
暗くて見えないけど、長い綺麗な緑がかった茶色の髪の毛と、白いスカートから女と推測。
たぶん叫んでたやつだ、きっと。
千晶ではない。
千晶は黒髪だし。
「肌質が違う」
「え、何言ってるですか!?」
女らしい、決め細やかな肌だ。
いや、千晶もそうだけど、こっちはもっと手入れされてるというか。
THE・女って感じ。