愛すと殺すと

◇◇◇


とりとめもなく授業は終わり、さて放課後。


「よーおー」

「はいはい」


俺が迎えに行くまでもなく、勝手に来てる。


そして学校前の駅にいき、電車にショッピングモールまで運んでもらった。


学校から20分。


遠くもないが、近くもない。



平日なのに結構混んでいて、教室内と同じように喧騒に囲まれている。



「混んでるねー」


結構人がいる。


「夕飯ここで食べてこーよ」

「うん!あ、陽。ちょっとぶらぶら服買っていい?

千晶、服欲しいの」


「いーよ」


そんなありきたりな会話をしながら映画館へ。


人生二回目だから、あまり慣れない操作に手惑いつつ券を購入。


ちなみに、俺はアルバイトをしている。

学費や養育費などは両親が負担してくれているが、やはりあまり迷惑はかけたくないから。

千晶は働く気がないらしく、バイトはしていない。



やっと見れた人生二回目の映画は結構よかった。


少なくとも、あの先生が進めるからどんなのだろう――と身構えていたのがバカみたいに思えるほど。


主人公は女で、財閥のお坊っちゃまと恋に落ちる。
さまざまな葛藤に飲まれながらも、最後は玉の輿に乗りハッピーエンド――…


まあ、ありがち。


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