愛すと殺すと

「いただきますですっ」


目の前の肉じゃがを掴んでパクリと頬張る。


ちょっと甘味が強めだけど、なんともお兄ちゃんらしい味。



「おいっひぃ〜ですぅ〜」



「だって!よかったね陽」


「千晶も食え、太くてなぜか無農薬のいい人参だったから美味しいと思うけど」


「や。人参きらぁい」


「じゃあ千晶ちゃんの人参もらうですっ」


千晶ちゃんの分も、と人参をパクリ。


「はいどーぞ!」


「千晶っ!大きくなれないぞ」


「あ、今の言い方鳳紀くんにそっくり」


「本当だっ!陽がお兄ちゃんになった!」


「お兄ちゃん鳳紀くん好きだったですよね〜」


「紛らわしいからお兄ちゃん連呼するなよ」


あ、なんかいいかも、こーゆー雰囲気。


一つのご飯を囲みながら、皆でわいわい食べるって。


なんか懐かしいな。


「そーいえば、メイってあれからどーなったんだ?」


聞いてきたのはお兄ちゃんだった。
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