愛すと殺すと

「あれから…えっと、大旦那さまに引き取られて」


「あのお金持ちのおじさん?金髪……の」

「千晶」


金髪、で詰まった千晶ちゃんの肩を抱いたお兄ちゃん。

あ、優しい。

何があったかわかんないけど、優しいな。


「それで?」


「文字通り愛人になったです」


「…そ、か」


お兄ちゃんが俯くことないって言おうと思ったけど、それより話を続ける事の方が先決だと思った。


「でも大きくなったから捨てられて、困ってた所をご主人様に拾われたです。

ご主人様は大旦那さまの息子で、外国の「え」


お兄ちゃんが遮る。


「息子?マジで?」


「ま…?」


「本当かって意味だよ」


「本当です」


「先生なら「親子丼ー」とか言いそ…じゃなくって、そのご主人様はいい人?」


「うんっご主人様はいい人ですよぉ!
監禁されてますが、愛ゆえにってわかってっ…」


わかってる。

ご主人様が私を愛してくれてるのは。


あーあ、怒ってるだろうなあ…


いくらお兄ちゃんに会いに行きたいからって脱け出して来ちゃったから、ご主人様怒って…


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