愛すと殺すと

◇◇◇


問題が起きた。


お風呂のあとのねぐ…ぱじゃまとやらは千晶ちゃんのを借りて、あとはねるだけ、なのに。



お布団がないそうです。



「私はいいですのに…」


「お客様なんだから」

「保健室に行って借りに行こーよー」

「この時間先生いねぇよ。どうしよっか」

「じゃぁ三人仲良く二つのお布団で寝よーよー!」

「…それでいいか?」

「はいですっ♪」


会話文だけで成立しちゃった。


とにかく、お泊まりなんて初めてなわけだから、緊張する。


お布団(見るの本当に久しぶり)を二つ敷いて、そのなかに真ん中お兄ちゃんで眠る。

なんでお兄ちゃんが真ん中かというと、

「千晶と陽を離さないで!千晶寝れないっ」

とか言う千晶ちゃんに配慮したわけだ。



知らない天井、知らない背中の柔らかさ、知らない布団の感触に、


「(…あったかいな)」


――知ってる温もり。


他人と一緒に寝るって、あぁなんだか癒される。

体が溶けて暖かくなっていくような、不思議な感覚――




「今日の幸せは何があった?」





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