愛すと殺すと
「幸せ報告、まだ続けてたんですね」
嬉しかった。
まだ私の知らないところで続けられてたのが。
「あぁ、あれ?」
「はいです」
「あれ、最近始めたんだよね」
「へぇー、そうなんえぇえええ!?」
さ、ささ最近始めた?
て、ことは。
「今までやってなかったですか?」
「うん」
騙されたよ感動返してほしいです。
「鳳紀が死んでからは自然となくなってたんだ。
最悪だったあそこを抜け出して、幸せだったんだよ。それなりにさ。
千晶はちょっと壊れちゃったけれど、互いが互いを想って。
だけど、俺に謎の空虚感が…」
「空虚感?」
「昔の幸せを求めたんだよ。
鳳紀がいて、メイがいて――そんな幸せを」
貪欲なんだ、と母子手帳をぱたりと閉じた。
「で、一回提案したんだけど、千晶はいらないって言って。
じゃあいいやと思ってたんだけど」
「何があったのですか?」