愛すと殺すと
◇◇◇


メイが去った朝。


いつも通りに登校した俺らは、真っ先に保健室へ向かった。



「先生、なんで居場所がばれたんだっ」


「…あー、GPSだよGPS。ぐーたれパーティセレブ版とかの略じゃなくて、あれだぞ?あのー、居場所とくてーするやつ」

「ぐーたれパーティってなんだよ…

…GPS?」

「そー!すっごい大富豪のお嬢様になったらしくてね」



話によると、メイのご主人様とやらはアノ時の刑事と繋がっていたらしく、刑事が先生に密告、相談したらしい。

この付近にいるはず、と断定され、「たぶん布留だろーな」といってしまったそうだ。


で、電話をしてきた、と。


「楽しかったか?久しぶりの妹キャラは」

「キャラの部分が否定できないのがつらい…」


メイは本当の妹じゃないし。


「ニンジン食べてもらったの!」


あれ以来先生に対する嫉妬がなくなった千晶は、普通に会話するようになった。

嫉妬=不安だった、と気づくのが遅すぎたように思う。


「…え!下のおくちで妹キャラが!」

「先生まさかそれ目当てでくれたの!?」


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