愛すと殺すと
一目見て、願ってしまったのだ。
深くなりたいな、と。
あんまりかっこいいとは思えないけど、目を引くナニか。
真面目なのか不真面目なのかよくわからないオーラに、交わる優しさ。
「何食うの?」
「陽ー!」
「わかったコロッケパンね」
ドライなのか何なのか、さっぱりよくわからない人。
その人にまとわりつく女。
その女に、日溜まりみたいな暖かくて優しい笑みを浮かべている。
汚くない、純粋な。
否、真っ黒な美しさ。
欲しい、その笑みが。
魂が震えたという言葉をはじめて使いたくなった。