愛すと殺すと

「…あ、浅間くんのこと…よく知らないし、そのぉ……まだ彼氏とか、そーゆーのは違うかなって」


「そっかぁ、そうだよね」


ニヤニヤ笑う彼。

あ、やだ。変な悪寒が走る。

体を舐められたような、気持ち悪い…


「でも、ほら。美澤だって、気持ちいいことしたくなーい?」


…そう来たか。

付き合うと体は別物。

今時そんなこと言ってたら、風俗嬢は彼氏がやばいことになる。


よほど溜まってるのか、急くようだった。


「…俺、評判いいから自信はあるんだ。どう?」

「…気持ち、いいこと…?」

「うん、どーかな?」


これはうまくいくかも、と嬉しそうな彼に、クスリと笑ってみせる。




「…私は汚いです。あなたも汚いです。


触れないで下さい、気持ち悪いから」




「…は?」


呆気に取られてるが、無視して。


一階と言うのを利用して、昇降口に向かう。

携帯電話を取り出して、さくさくと文章を綴ってメールを送った。
< 177 / 245 >

この作品をシェア

pagetop