愛すと殺すと
「…あ、浅間くんのこと…よく知らないし、そのぉ……まだ彼氏とか、そーゆーのは違うかなって」
「そっかぁ、そうだよね」
ニヤニヤ笑う彼。
あ、やだ。変な悪寒が走る。
体を舐められたような、気持ち悪い…
「でも、ほら。美澤だって、気持ちいいことしたくなーい?」
…そう来たか。
付き合うと体は別物。
今時そんなこと言ってたら、風俗嬢は彼氏がやばいことになる。
よほど溜まってるのか、急くようだった。
「…俺、評判いいから自信はあるんだ。どう?」
「…気持ち、いいこと…?」
「うん、どーかな?」
これはうまくいくかも、と嬉しそうな彼に、クスリと笑ってみせる。
「…私は汚いです。あなたも汚いです。
触れないで下さい、気持ち悪いから」
「…は?」
呆気に取られてるが、無視して。
一階と言うのを利用して、昇降口に向かう。
携帯電話を取り出して、さくさくと文章を綴ってメールを送った。