愛すと殺すと
◇◇◇


「みぃちゃんさぁ、なんかあった?」


ザクッとカルボナーラのベーコンをフォークで刺してると、なんかそう言われた。


「…なんで?」

「ほらっ!イライラしてんじゃん」

「最近うまくいってないだけだよ」

「そー?ならいいけど」


目の前のセフレ、八城に言われて余計にイラついた。

他校の先輩で、ナンパされてそのままホテル言ってから、ズルズルと関係を続けている。


大抵はご飯を食べて、そのあとホテルか自宅で。


ただの性欲処理と言えばそうだけど、事を済ませるとなんか落ち着くのだ。

あぁやっと終わった、と。


何がなんだかさっぱりだけど、とにかく不思議な感情だ。

汚いと思うけど行為は落ち着く。

汚いと思うのに最中に触れられるのはいい。


境界線があやふやな私は、やっぱりおかしいのだ。


「みぃちゃんさー、俺の他にセフレ何人いるの?」

「四人」

「マジかよ…」

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