愛すと殺すと
「一番テクいいのは誰?」
「んー…どーだろ。
顔は八城かな」
「顔なの俺?…ま、いいけどさ」
ヤるのに困らないし、と呟きながら。
彼は、自分のクリームパスタをクルクルし始める。
「…おかしーよな、お前って」
「ん?そ、かも」
あむっとパスタとフォークをくわえながら喋ったから、ちょっと聞き取りづらい声になる。
「俺みたいにお軽い関係大好きな男ならいーけどさ、あぶねーよ?
何人も男抱えてさ」
「そ?私そんな目合うほど愛されてないから大丈夫」
貰っちゃえ、と彼のクリームパスタを横取り。
「みぃちゃんがどんだけ気をつけても、男の気持ちはわかんねーもんだよ」
「…そうかなぁ」
ん、クリームがついた。
ペロりとなめとってると、八城の視線に気がついた。
「なに?」
「エロ」
「ヤる?この近くホテルないけど」
「じゃーみぃの家で」
「りょーかい。いいよ」
こんな簡単に決まる、体の関係。
私の体なんて、パスタ奢ってもらえば手にはいるもの。
そんな女に執着するやつなんているのかね。