愛すと殺すと

「一番テクいいのは誰?」

「んー…どーだろ。
顔は八城かな」

「顔なの俺?…ま、いいけどさ」


ヤるのに困らないし、と呟きながら。

彼は、自分のクリームパスタをクルクルし始める。


「…おかしーよな、お前って」


「ん?そ、かも」


あむっとパスタとフォークをくわえながら喋ったから、ちょっと聞き取りづらい声になる。


「俺みたいにお軽い関係大好きな男ならいーけどさ、あぶねーよ?
何人も男抱えてさ」


「そ?私そんな目合うほど愛されてないから大丈夫」


貰っちゃえ、と彼のクリームパスタを横取り。


「みぃちゃんがどんだけ気をつけても、男の気持ちはわかんねーもんだよ」

「…そうかなぁ」


ん、クリームがついた。

ペロりとなめとってると、八城の視線に気がついた。


「なに?」

「エロ」

「ヤる?この近くホテルないけど」

「じゃーみぃの家で」

「りょーかい。いいよ」


こんな簡単に決まる、体の関係。

私の体なんて、パスタ奢ってもらえば手にはいるもの。

そんな女に執着するやつなんているのかね。
< 181 / 245 >

この作品をシェア

pagetop