愛すと殺すと
◇◇◇
傷跡を隠すのにブレザーやストッキングを用いる。
そうすると、自然とつきまとうのは真面目という印象。
ちょうどいいや、とこれを利用し、清純キャラを作り上げた。
汚さ(傷)を隠すのに、猫を被る。
二つ結びに眼鏡。
黒髪は絶対に染めない。
こうすることで学校(群れの中)で馴染むことができた。
「あ、華恵」
嫌な名前を嫌な声で呼ばれる。
イライラしながら振り向くと、お母さんだった。
半裸に等しい格好で、下着もつけずに冷蔵庫へ。
ミネラルウォーターを取り出すと直に口に含み、一心地つくとこちらを振り返る。
「…あー、腰いって」
さすさすと擦りながら。
「ダッサ…学校行くの?」
「…ダサくて悪かったね」
「本当だよ、気持ち悪いくらいダサい。ビッチのくせして」