愛すと殺すと
お花柄のピンクのパジャマの袖をブンブンふりながら。
「陽!今日はなんの日でしょーか?」
「今日?今日は…」
なんだっけ。
今日は普通の学校の日…あ。
「今日は委員会」
そう言うと。
ムクッと千晶の頬が膨れる。
「違う!違う違う違う!
今日は1月14日でしょ?」
はて…何かあったっけ。
「今日は!
『二人で映画を見たから映画記念日』でしょー!」
サラダ記念日じゃないんだから。
あ…でも記憶が戻った。
確か去年、あっつあつの恋愛ものを観せられた気がする
。
「あー…うん、そうだった。わりぃわりぃ」
「陽ぉー、だから観に行こーよー」
「今日?」
「今日じゃなきゃだめ」
「今日は…」
予定を探すが、検索結果は0。
ないな。
「あー…いいよ、じゃあ」
「本当!?やったぁー!大好き愛してるー」
手をあげて喜び、バフッと俺を布団に押し倒す。
千晶の長い髪が舞う。
フワッと髪のいい香り。
「…………」
俺の倒れた腰に抱きつきながら、しばし微睡む千晶。
見ていると、あー…眠気が…。
「陽大好き…」
猫みたいにスリスリ。
においでも移すつもりなんじゃねーの?ってくらい刷りついてくる。