愛すと殺すと
冷たくて綺麗な月明かりが、汚い私を照らす。
『バレちゃったかあ』
そう言って私を捨てた人を思い出した。
あの時から私は壊れた。
汚くて、気持ち悪くて、触れてほしくなくて。
圧倒的なまでの拒絶を繰り返し、磨り減り、私は消えて――みいになる
でも。
今度は欲するのだ。
みいではなく、美澤華絵が。
真っ黒で、美しくて、触れてほしくて。
「(お願い――)」
祈る。
私、ちゃんと一歩進んだよ?
拒絶せずに、進んだよ?
ねぇだから、お願い。
私を受け入れて――
「美澤、無理だ」
ゆっくりと。
私は潰れた。