愛すと殺すと
山本先生は中2の時からの付き合いだ。
本名、山本朱祢。
ある事件が起きて来た刑事さんが、心を病んだ俺らに寄越した精神科医。
だったのだが…
なんだか俺らに愛着がわいたらしく、さっさと病院を辞めて保険の先生になったらしい。
なんちゅーこっちゃ。
会いたいというだけで。
もともと保険の先生を目指してた山本先生にとって、資格やらなんやらは簡単にとれた、らしい。
それを入学と同時に知った俺が、びっくりして千晶を連れていった。
まあ当然、千晶は親交を深めるようなことは一切せず。
俺と山本先生が喋っただけだった。
それがたぶん最後。
「…嫌だー」
登校中もずっとぐずってる。
「我慢して」
「むー、…あ!」
なにやら思い付いたらしく、頭にコミカルな懐中電灯が見える。
「千晶?どうした?」
「あのねー、陽取られたくないから、千晶の陽への愛を先生に「はいはい」
学校についたのでそこまで深く問わなかった俺。
昇降口と保健室は一階なのでそのままいくことに。