愛すと殺すと
「あ…」
今気づいた、みたいな顔をして、なぜか顔を真っ赤にさせる。
「や、やだ…、布留くん来たら一番に言わなきゃって見張ってたから時間気づかなかった…」
「は、はあ…」
そこまでのことか?
「その…えっと…」
「座れば?」
「はいっ」
パタパタと自分の席に戻る。
…たく、なんなんだろあの子。
気になる訳じゃない、意味不明なのだ。
だって俺は、クラスにいるかいないかの存在だ。
皆様は俺が怖いらしく、ビクビクして話しかけてこない。
俺は俺で友好的な関係を持とうと思わないため、自分から話しかけない。
そう、だから不思議なのだ。
こんな俺を気にかけるなんて。
そしてショッピングモールでうろつくのを見つけ、話しかけるなんて。
「……?」
よくわかんねえ。
キーンコーン。
3回目のチャイムが鳴り、やる気のない中年の先生がやる気なく点呼を始めた。