愛すと殺すと
「いいなあー
ね、陽紀くんって菅原さんのことどう思ってるか知ってる?
あとどーやって気に入られた?」
キラキラお目目を輝かせる。
私はそいつに聞かなきゃならないことがあった。
「…あんた、布留のなに?」
私の布留…はおこがましいか。
布留は私の大事な人だ。
強いて言うなら息子。
そいつに何かをしようとしてる時点で、敵確定。
「えー?なんでもないよ?
…ただ、狙ってるだけ」
「狙う?誰を?」
「頭悪いね、陽紀くんだよ」
バカなのはそっちだ。
「アイツには菅原がいるけどなー?」
「そんなの関係なくない?
欲しいから奪うまででしょ」
…異常だ、こいつ。
私の本能がそう告げた。
「布留以外にもいいやついるよ?」
別に布留は特別イケメンじゃない。
かっこいい部活に所属していないし、運動神経は平均ど真ん中。
頭は悪くないけど、菅原に忠義を誓ってるし。
「知ってるよ」
ぶっきらぼうに。
「でもなんか好き」